お姉ちゃんの憂鬱

「まことくん、今日は来るの遅かったね?」


たしかに。それが理由で美里ちゃんがそわそわしていたのをあたしは知っている。



「担任につかまってしまいまして、髪をどーにかしろと言われました。」

「明るいもんねー髪。でもあたしはその髪色、似合ってると思うよ!」

「本当っすか?じゃあまだ染め直せないっすねー。」



オレンジがかった明るい茶髪をがしがししながらへらへら笑う幼馴染。


それを見て、心底楽しそうに嬉しそうに笑う美里ちゃん。


それを見て苦笑いするあたし。



卑屈で申し訳ないんだが、こういうのを見ると、誠と仲良くなるためにあたしと仲良くしてんのかなとか思っちゃうわけですよ。

今までもそういう人が結構いたのでそこは大目にみていただきたい。




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