お姉ちゃんの憂鬱

「で、聞きたいこととは何かな?」


「あー、あたしたちってさ、先生に言われて班になったみたいなとこあるじゃん?それで、かなは迷惑に思ってないのかなって思って」


「迷惑?なんで?」




今のところ何も迷惑は被っていない。

むしろあたしの周りが楽しくなって嬉しい。



「だって、班になってからほとんどあたしたちとつるむようになったし、他の友だちとかになんか言われたりとか…」


「あー、ないない。もともとあたし特定の誰かと一緒にいるってことも少なかったし、全体的に薄い交友関係だったからね」



中学の時に比べて高校では薄く広くな交友関係を築いているなという自覚はあった。

特定の誰かとベッタリということもなければ、一人ぼっちになることもないという、とても曖昧なものだ。



「そういうことなら、あたしよりさぁちゃんだよ。前はあんなに周りにいっぱい人いたのに、今は、なんていうか…」


「まぁ…確かに、近寄られなくなったかもね」


「それは、大丈夫なの?」


「別に仲が悪くなったわけじゃないから問題はないんだけど、こう、付き合い方を変えたの。言っちゃなんだけど、疲れちゃったのさ。あたし、本来あんな女の子女の子なキャラじゃないかさら」




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