お姉ちゃんの憂鬱

「財布をもってきていなかったのでお土産は後回しにすることにしました」


「…直くん。まだ修学旅行は先が長いよー?初日でいろいろ買っちゃて、今後本当に買いたいもの見つけた時にお金なくなってたら困るでしょ?だから今は我慢だよ」


「…確かにそうですね。お姉ちゃんの言う通りにします」


「お前、本当に香奈子の言うことなら素直に聞くよな」


「さっきなんてうちらがいくら言っても聞かなかったのに」


「お姉ちゃんには絶大な信頼を寄せていますからね!」




夜ご飯を食べながら探検話を聞く。

どうやら楽しく探検できたみたいなのでよかった。



「それはどうも。あ、そうだ。明日から、移動でバス乗る時はなるべくさぁちゃんを窓際に乗せてあげてね。乗り物酔いしちゃうんだってさ」


「なっ、かな!わざわざ言わなくても大丈夫だよ!」


「でも、もしもの時にわかっててもらった方が対応しやすいでしょ?3人も気にかけてあげてね」


「じゃあ来るときのバスもダメだったのか?」


「…少しね」


「そうでしたか…気づかずに騒いでしまってすみませんでした」


「べ、別に酔い止め飲めば平気なの!来るときは、飲むの忘れてたから、ちょっと酔ったけど明日からはちゃんと飲むから大丈夫!」


「無理な時はちゃんと言いいなよ?隣で吐かれても困るしね」


「こらまどか。食事中」


「ごめんなさーい」



へらへら笑うまどかも、これで結構心配しているんだろう。



「明日は忘れないように朝ごはんの時に言ってやるよ」

ほら、なんだかんだ優しいんだから。




< 95 / 335 >

この作品をシェア

pagetop