Love their
私は恐る恐る先端をピアスホールに差し込む。




閉じたかのように見えていたピアスの穴はいとも簡単に開通された。





なかなか閉じないもんよね。





まるで、私たちの関係みたい…。





耳たぶで輝く一粒ダイヤはせめてもの輝き。





皮肉な感じ。



しかも、
前の彼氏からのプレゼント。






ま、いいか…。




私だってズルイ…よね?




サトルに対して罪悪感すら湧いてこない自分は。





ダイヤの輝きで嘘を誤魔化す。



良い物は良い。




今では誰に貰ったとか、
全然どうでもいいこと。






でも自分がされたら嫌だな…。


矛盾してる、よね。

でも、
知らなければそれでいい。







「人が来るなら何か食べ物いるよね…あ〜面倒っっ
行くだけ感謝して欲しいわ…」



私はもう1度アップと全身の自分を鏡に映した後、自分勝手な解釈を誤魔化しながら部屋を後にした。





< 17 / 274 >

この作品をシェア

pagetop