Love their
汗だくになりながらひたすら自転車で夜道を走った。


7月の夜空はひんやりとしていたが体温を感じていたせいか生ぬるかった。


息切れし、こぐ足を止めた。


緩い下り坂も手伝ってかスピードを落とすことなく道を進む。



遠くに見つけては近づいてくる店の看板や街の標識を眺めながら夜道をひたすら進む。



やがて平坦な道にタイヤの摩擦が生じてきて徐々にゆっくりと進む。



バランスがとれなくなりペダルに乗せていた足を道に下ろした。



とにかくサトルの元から離れたかった。



そう言えば…と思い返す数々の過去。



色々とつじつまが合う。



里子の家にあったコンビニの袋。


里子が行くはずない。
サトルが何かを買ってきたんだ。



里子が去年急にサトルと同じ煙草に変えたこと。


煙草を吸わない私には関係ない、
お揃いって訳?



呼ばずしても自然と集まっていた3人が、あまり集まらなくなったこと。


各々会っているから必要ないってこと?




いつも厳しい里子が彼とのことに怒らなかった。


寧ろ、賛成までしてた。



サトルの前で里子を褒めると頑に女として見れないって言った。


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