Love their
私に気付かれないようにするためわざと興味ないふりしてた?



考えれば考えるほど、全部に私の知らない事実がある気がした。



今まで過ごした大切な思い出。



こんな風に振り返るなんて…。



レイは自転車から降りて押しながら歩き出した。



もう、走らせる体力が残ってない。



さっきは30分ほど走っただろうか…
身体が一気に重たくなる。


それに熱い…。



体温の上昇を感じながらハンドルに半ば身体を預けるようにしてゆっくりと歩いた。



閉店した店のショーウィンドーに映る自分の姿に時々目をやる。



こんな所で歩く自分が哀れで寂しくてならなかった。


私、1人じゃん…。




何かあった時に何でも言えたし、甘える自分が帰る場所だった里子。



何かあった時に安らぎをくれ、勝手な自分を受け止めてくれるサトル。



甘えてたつもりはない。



だけど、それに自惚れていた自分は知っている。




私、1人になったんだ。





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