Love their
第10章―本心と真実の愛
―7月4日―



穴があくほど自分を見つめなおした。



ずっとずっと。




ずっと今までの記憶を堀り返しては見つめ直した。




彼のこと。


そして、サトルのこと。
里子のこと。




これから自分がどうすればいいのか、まだ分からなかった。





あれから、彼とあんな形で別れてから結局自分の家に帰った。



帰りたくなかった。



でも、行く場所なんてなかった。






私にはここしか居場所がなかった。




次の日も仕事を休んでしまった。



体調を心配してくれる上司の声にすら何も感じなかった。





レイの心はそれほどまでに疲れていた。





自分を見失うってこんな感じをいうのかな…。



帰って知らない間に眠ってしまい、また朝がくる。



同じように過ごした昨日とは全然違った。





彼の言った通り、眠ってからは身体のだるさを感じなかった。




ただ、何もする気になれずにひたすら見つめる。




全てを投げ出してしまいたい気持ちすら起こらずに、



ずっと考えていた。




考えても考えても辿り着く結論は同じ。




本当の愛なんてなかった。
< 209 / 274 >

この作品をシェア

pagetop