Love their
その日はサトルの家で一晩過ごしたという。





朝方まで飲み明かして。




仕事が休みの里子をそのまま寝かせてサトルは仕事に行ったそうだ。





何かあったかどうかなんて分からない。




けれど、何も無かったんだと…思う。




里子はせめてもの罪滅ぼしと、



部屋を綺麗に掃除して。




せめてもの悪戯に、




自分の化粧ポーチを戸棚に忍ばせておいた、と言う。







仕事から帰ったサトルは里子を連れだして、お茶に誘ったらしい。





何事もなかったように振る舞うサトルに、





戸惑いながらも受け止めようと思ったと。





そう言って里子は涙を流した。


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