Love their
あっという間に18時を過ぎ、彼が予約しておいてくれたレストランへ向かう。




エレベーターに乗り合わせた初老の夫婦と目が合い会釈した。




「新婚さんかな…?」



小綺麗な雰囲気のおばあさんがレイを見て尋ねた。




新婚……。




やっぱり、そう見えるのかな…。




恥ずかしいような、嬉しいような…。




でも、実際の私たちの関係を知ったらびっくりしちゃうかも…?




「…えっ…と…」


返事に困ってレイが言葉に詰まった。





「僕の一番大事な人です」


レイの背後に立っていた彼がすかさず言った。



「あら…そう。…あなた幸せね。大事にされてるのね」


おばあさんはにっこりと微笑むとエレベーターが止まり旦那さまに促されて先に降りた。
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