Love their
レイは今までしたこともない嫉妬に心をかき乱れされて、まさに新種のウイルスに侵されたようだった。



そして平気な顔をしてレイの身体に寄り添うサトルでさえも心が抵抗した。



欲して欲しい要求と突き離したい願望が混ざっていた。



聞いたところで、また昔のように、


昔、パパが言ったように、


同じことが繰り返されるのであれば



このまま何も言わない方がいいんだ。



この先も一緒だよね、何て答えすら分からないのに。

聞いては答えてもらうだけなんて。


そんな偽りなんていらない。


誰のだっていい。



もう、ピアスが誰のものかなんていい。



見つけてしまった事実は、


どんな言葉をかけて貰っても覆される訳ではないから……。



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