Love their
そんなサトルの姿を見て、

嘘をついた罪悪感を悟られまいと今度はストローで氷を回した。


手を動かしていなければ、

気付かれる?とうしろめたい気持ちを隠すことが出来ない。


飲み干したグラスから滴り落ちる水滴はコースターをも湿らせる。


まるで自分の心の汗のようだ。



だけど、



どうしても彼に対する思いを守りたかった。



あれから2時間余り。



正直なところ、


彼の顔ですらうっすらとしてはっきり思い出せない。


ただ彼の目に吸い込まれた自分の、


自分の胸の奥にある熱いものだけで



それだけで成り立っている味わったことのない不思議な感覚。




やばい。



何に?


何にかは分からない。



だけど、



本当に惚れてしまったんだ……。





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