Love their
その晩、結局私は、



複雑な気持ちがありながらサトルに抱かれた。



いつも通りだった。



一人暮らしをする私のマンションに帰ってきてから、


いつもと変わらずする行為。




1つ違ったことと言えば、



ごめん。サトル。



抱かれながら彼を想った。


彼を想って感じた。



横で眠るサトルの髪を撫でながら、窓の外に光る月を眺めた。



それは異様な程明るく、ベッドに横たわる二人の影を作っていた。



壁に映る無心な影。



幸せそうに共にする2つの影。



彼を忘れまいと、彼で感じた私は



申し訳ない思いでいっぱいで。



私は、




今日久しぶりに泣いた。




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