Love their
里子の物着せないはっきりした言い方は、


学生時代、周りから敬遠されることが多かったけど、


私は好きだ。


たくさんケンカもしたけれど、最後にはお互いすっきりして仲直り出来た。



「やっぱり、分かる?」


レイは缶チューハイ片手に上目使いで聞いた。



「自分を正当化したくて、でも心細いから、ウチに来たんでしょ」


里子はそう言った後、立ち上がると冷蔵庫から今日4本目の缶ビールを取り出した。


ズバリ内心を当てられてレイは苦笑いした。


「まぁ、3年も起てばそりゃ、エッチだって飽きてくるの分かるし…」


里子が肩をすくめてレイをチラっと見た。


そう言われてみればそうだけど、とレイも何も言わず里子をチラっと見た。



お互い少しの沈黙のあと見合って笑ってしまった。



確かに少なからず私も感じていたからだ。



「でも、どんな人か全く知らないんでしょ」


「うん…」


そうだ。
彼がサトルの主治医であること以外何も知らない。



「まぁまぁいい男だったからときめいただけじゃない?あ〜私もときめきたいっ」


里子は自分自身に頷きながら言った。
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