Love their
手を洗いながら鏡に映る自分を見た。


気を遣わない仲間との飲み会に少し崩れた化粧顔。



なんか、ブサイク…。



自分の顔にはそれなりに少し自信があった。


嫌いじゃない。


周りも良く褒めてくれる。


掃除が行き届かず、水滴の後が所々に散り少し曇った鏡のせいだろうか…。



そんな風に解釈してみるが、そうでないことぐらい分かる。



私の浮わついた心が、彼氏がいる幸せな女、の顔に乗り移っている。



一途に恋している顔じゃない。



レイは水道の栓を閉め、カバンから持ち出してきていた化粧ポーチを開けた。



パウダーを取り出しを何度も何度も顔にはたいた。



洗面台にパラパラと散らばるパウダー。



赤い顔を隠すように覆っても、ルージュを綺麗に縁取りして塗っても、



瞳の奥に見える彼を想う自分は隠せない。



やっぱり、


どうにかしてる。



「やっぱ、忘れよ…」


レイは鏡に映った自分に呟いた。


綺麗に直された顔に心の中で何度も何度も言い聞かせた。



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