Love their
別にいい子したい訳じゃないけど。


どこか潔癖な性格がそれを許してはいけない気がした。


先週、気軽に…って言ってくれた里子。


そうだよね、気楽に…ってやっぱり思えなかった。



確信的なものを感じていたからだ。




このまま、連絡しなければ、連絡がなければ、
それで終わる。



でも、



始めてしまったら、私は必ず彼から抜け出せない。



どうして?と聞かれれば、分からない。



ただ、意識はしないようにしても、



私が彼を求めてる。



欲しいんだ。彼を。



気になって仕方ないんだ。



サトルを捨ててまで?



それは嫌だ。



サトルは言い方が悪いけど、私の枕のような存在。



ないと駄目で気持ち悪くて。


違うのじゃイマイチ、しっくり来なくて。



だから、離したくない。





こんなズルイ私だから絶対に始めてはいけないんだ。


もう一度振り返り鏡の自分を見る。




それでいいんだよ。



レイは心の中で言い聞かせながら、化粧室の扉を開けた。
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