Love their
注文したコーヒーを一口飲んでからレイは迷いなく彼の番号へ発信した。



トゥルルルル……


トゥルルルル…


数回呼出し音が鳴った後、彼が電話に出た。


「ごめんね、かなり待ってるよね。今、どこですか?」


「大丈夫ですよ。茶店に入って待ってたので…。今はさっきの店の東に少し歩いた所のカフェです」


彼は会計を済ませ、今まさに店を出るところだったようだ。

彼の周りは少し騒がしかった。


すぐにこちらに向かって来てくれるそうだ。



レイは不思議なくらいにスラスラと話が出来た。


自分の番号を教えてなかったのに、すぐに私だって分かってくれたのも嬉しかった。


そして、何よりも。


今からまた彼に逢える。


少し高鳴る胸の音でさえも愛しく幸せに感じる。



もう迷いはなかった。



素直になるってこんなに堂々とした自分が居る。



さっきまでのサトルへの申し訳ない思いとは別なもの。


レイはコーヒーの湯気を軽く吹いた後カップに口をつけた。


「ごめんね、サトル…」


一口飲んだ後、カップについた口紅を指で拭って呟き店を出て前で待つことにした。


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