Love their
「君を待っている自分を、良かったと思った」
彼は真っ直ぐ前を見て呟いた。
通り過ぎる人の波にレイが拐われないように、
かばっては少し前を歩いて引っ張ってくれていた。
レイはあまりにもストレートな彼の言葉に返す言葉を探すが、見つからなかった。
「ただ、逢いたかったんだ」
心を読むように語りかけてくれる彼の言葉に、
レイは手を握り返して頷くしか出来なかった。
同じ思いだけど、私…。
「迷惑だったらちゃんと言って」
繋ぐ手を強く握り返しながら彼が私に問う。
迷惑、だなんて。
そんな風に思ったこと、ない。
ただ、私は貴方の患者の…。
心の中の彼への答えを言葉にする前に伝わっているのかどうか、
分からないけれど。
レイが言葉にしようとする度に彼が繋ぐ手を力強くリードする。
それに応えてついて行く。
そう、言葉は多く要らない。
反対側の手を繋いだ手にそっと重ねる。
重ねたレイの指先を1つ取り込むように繋いだ手に絡めて強く握る彼。
街路樹が大きく揺れる歩道で、私たちはその後言葉を交わすことなく歩いた
彼は真っ直ぐ前を見て呟いた。
通り過ぎる人の波にレイが拐われないように、
かばっては少し前を歩いて引っ張ってくれていた。
レイはあまりにもストレートな彼の言葉に返す言葉を探すが、見つからなかった。
「ただ、逢いたかったんだ」
心を読むように語りかけてくれる彼の言葉に、
レイは手を握り返して頷くしか出来なかった。
同じ思いだけど、私…。
「迷惑だったらちゃんと言って」
繋ぐ手を強く握り返しながら彼が私に問う。
迷惑、だなんて。
そんな風に思ったこと、ない。
ただ、私は貴方の患者の…。
心の中の彼への答えを言葉にする前に伝わっているのかどうか、
分からないけれど。
レイが言葉にしようとする度に彼が繋ぐ手を力強くリードする。
それに応えてついて行く。
そう、言葉は多く要らない。
反対側の手を繋いだ手にそっと重ねる。
重ねたレイの指先を1つ取り込むように繋いだ手に絡めて強く握る彼。
街路樹が大きく揺れる歩道で、私たちはその後言葉を交わすことなく歩いた