Love their
そんな都合のいいことが許されるのか、とも思ったが敢えて自分から触れなかった。


バランスを崩さない関係を彼が理論として私の前に振りかざすのなら、身構えずに斬られてもいい位の気持ちで居ればいい、そう思った。



たくさん話をして、彼は病院で仕事をするからと言って私をタクシーに乗せてくれた。


家に帰りつき部屋の電気もつけずに、彼と居た余韻と何度も重ねた唇の感触に浸りながらそんなことをあれこれ考え、朝方ようやく眠れた。




今日は仕方ないよね…。


レイは自分に都合良く解釈して持っていたボールペンを机の引き出しにしまい込んだ。



手持ち無沙汰になると今度はデスクに座るようにして置かれた携帯の点滅ランプに目がいった。


不在着信とメール。


大体誰からか予測がついていた。

きっとサトルだ。



昨晩から携帯を見る気になれなかったので、そのままにしておいたが、ずっと点滅されるのも、うっとうしい。


レイは首筋を押さえていた手を伸ばして携帯を取った。


内容の確認もせずに早足でEnterボタンを押しまくって確認済にしておいた。


それでも、またお昼の時間に…、
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