Love their
かかってくるだろうな。


段々と周りがざわつき始め席を立つものが多くなった。


12時を過ぎようとしていた。


お昼だ。


レイは二つ折りの携帯を両手で閉じた後バッグにしまった。


同時に携帯のバイブが緩く振動したことに気がついたが、そのままレイも席を立った。




………


案の定、午後からの仕事も何だかやる気にならず1日が終わってしまった。


定刻に会社を出ていつものカフェに向かった。


7月に入り夕方でも梅雨のせいかかなり蒸し暑い。


歩く度に滲み出てくる汗をハンカチで拭いながら片手でバッグの中の携帯をまさぐった。


ポーチや手帳やらに紛れてバッグの中で行方不明になっている携帯にレイは少しいらつきながら歩く。



カフェの前に着いた時、手元に携帯が触れた。


とりあえず、席に座ってから見よう。


手に握りながらセルフサービスのカウンターでアイスコーヒーを注文した。


相変わらず、この時間はまだ空いていた。


レイは片手にトレー、片手に携帯を持ちながらいつもの窓際の席に腰掛けた。



涼しい店内に一気に身体中の汗が引いていく。


若干、寒いくらいにエアコンが効いていた。
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