Love it.
「つーか、他に好きなコいるし」

「えっ!?」



予想外の当麻さんの一言に、せっかく解れたのにまた身体に力が入ってしまう。

まさか他に好きな人がいたなんて……そんなのってアリ!?



「だ、誰、ですか……!?」



あたしの片想いは結局実らずに終わるのか……と半分絶望しながら聞くと、彼はぽつりと、

「いい匂いがするコ」

と言った。



「俺が落ち込んだ時とか、元気がない時には決まってその香りがして、自分でも気付かないうちに癒されてたんだ。
……いや、そのおかげだけじゃなくて、そいつ自身が俺のそばにいたから、だな」



それって──まさか。

絶望の淵から、一筋の希望の光が差し込む。


信じられない想いで彼を見つめていると、「だからつまり……」ともどかしそうにくしゃっと頭を掻く。

そしてほんのり紅潮した顔を向けると、その綺麗な瞳であたしを捉え、はっきりとした口調で言った。



「俺には、お前が必要ってことだ」


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