Love it.
それからというもの、あたしは当麻さんだけを見つめ続けた。
だから簡単にわかっちゃったよ。
あなたが、他の誰とも違う目で見ている人がいるということに。
その人は当麻さんと同い年で、一般事務をしている早瀬さん。
いつも明るく、笑顔がとっても可愛くて、あたしにも気さくに話しかけてくれる人。
当麻さんとはよく言い合っているところも見るけれど、お互いに遠慮しないで自然に笑い合える関係はすごく羨ましい。
無愛想でいることが多い彼が、無邪気に笑ったり、とても優しい目で見つめているのは彼女だけ。
意外とわかりやすいんだなぁ、当麻さんって……。
その証拠に、彼が早瀬さんのことを好きだというのはもはや周知の事実となっていたのだけれど。
そのことに気付いた時はもちろんショックだった。
……それでも、諦めることは出来なくて。
誰にも言えないまま、ずっとこの気持ちを胸に秘めて、彼を見つめるだけの日々を過ごしていた。
そんな片想いを続けてちょうど一年が経った頃から、あたしは当麻さんの様子がおかしいことに気付いた。
なんだかぼーっとして、心此処にあらずという感じ。
他の人は気付かないような些細な変化が気になって、頼まれていた資料を渡しに行ったあたしは何気なく問い掛けた。