堕ちてくる
ねじれた願い
彼も昼間あった事を忘れていた。昨日も、おとといもそうだったように、苦しい世界に誘われていた。
「あぁ、ムカつく。ムカつく。ムカつくぅ。」
怒りが込み上げる。かと言って、どうにか出来る訳ではない。ただ、究極まで怨み尽くす。それだけだった。
彼をいじめていた人間は、主だったところで四人だ。ふたり死んだと言っても、あと、ふたりは生きていると言う事だ。彼はそのふたりに対して、激しく怨み続けた。
汚れた、誤った願いを生み出し続けた。
ふと、気持ちが軽くなる瞬間があった。
「誰?」
聞いても何もない。深夜、彼の部屋に、彼の声が響くだけだ。それでも、何かが願いを汲んでくれている。彼には実感があった。
少し落ち着いたせいもあって、ゆっくりと考えを巡らせ始めた。
―――おとといは、坂井だ。あいつの事を憎んだ。そうしたら、宇宙から隕石が落ちてきた。
窓を開け、空を見た。幾つか星が瞬いているのが見える。
「あそこから、願いが下りてきた。」
確認をするかのように呟いた。
―――次に中島だ。昨日は、あいつを消し去りたかった。
「そして、願いは下りてくる。」
また、確認した。
―――こんな偶然ってあるのか?もしかして、願いを聞いてくれる何かが宇宙にいるんじゃないか?
彼は試す。自分をいじめた中のひとりを、消し去りたい、葬り去りたいと願う。
まず標的に、工藤を選んだ。いつもヘラヘラしている顔を思い出すだけで、無限の憎悪が湧いてくる。
「死ね。死ね。死ね。死ね・・・。」
空に向って、何度も呟いた。
空に紅い花が咲いた。漆黒の中に咲くそれは、真っ赤な、血を滴らしたように真っ赤な薔薇のようだった。
目で追うのは、不可能だった。薔薇から何かが飛び出した。
気がつけば、工藤の家の方が燃えていた。
彼はいつまでも、窓の外を眺めていた。早く朝にならないか。そればかり考えていた。そして、ニュースで、工藤が本当に死んだ事を確認したかった。
「あぁ、ムカつく。ムカつく。ムカつくぅ。」
怒りが込み上げる。かと言って、どうにか出来る訳ではない。ただ、究極まで怨み尽くす。それだけだった。
彼をいじめていた人間は、主だったところで四人だ。ふたり死んだと言っても、あと、ふたりは生きていると言う事だ。彼はそのふたりに対して、激しく怨み続けた。
汚れた、誤った願いを生み出し続けた。
ふと、気持ちが軽くなる瞬間があった。
「誰?」
聞いても何もない。深夜、彼の部屋に、彼の声が響くだけだ。それでも、何かが願いを汲んでくれている。彼には実感があった。
少し落ち着いたせいもあって、ゆっくりと考えを巡らせ始めた。
―――おとといは、坂井だ。あいつの事を憎んだ。そうしたら、宇宙から隕石が落ちてきた。
窓を開け、空を見た。幾つか星が瞬いているのが見える。
「あそこから、願いが下りてきた。」
確認をするかのように呟いた。
―――次に中島だ。昨日は、あいつを消し去りたかった。
「そして、願いは下りてくる。」
また、確認した。
―――こんな偶然ってあるのか?もしかして、願いを聞いてくれる何かが宇宙にいるんじゃないか?
彼は試す。自分をいじめた中のひとりを、消し去りたい、葬り去りたいと願う。
まず標的に、工藤を選んだ。いつもヘラヘラしている顔を思い出すだけで、無限の憎悪が湧いてくる。
「死ね。死ね。死ね。死ね・・・。」
空に向って、何度も呟いた。
空に紅い花が咲いた。漆黒の中に咲くそれは、真っ赤な、血を滴らしたように真っ赤な薔薇のようだった。
目で追うのは、不可能だった。薔薇から何かが飛び出した。
気がつけば、工藤の家の方が燃えていた。
彼はいつまでも、窓の外を眺めていた。早く朝にならないか。そればかり考えていた。そして、ニュースで、工藤が本当に死んだ事を確認したかった。