chu to lips
「本命だよ…?」

ものすごく恥ずかしかったけど…
佑輔の目を観ながら言ってみた。

外はとても冷たい風が吹いていて
待ち合わせ前に整えた髪も

ドキドキのせいで呼吸も…

…乱れていく…。

「そんなの…知ってるよ…。」

照れて下を向く私の頬に
佑輔のゆび先が触れた。

そこだけ熱くなってきて…
そのゆび先がそのまま唇に
優しく触れてきた。

「亜紀…食べたくなってくる。」

顔が自然に持ちあがって
佑輔とみつめあってしまった。
みつめあうととろけてしまう。

人通りの少ない路地でも
やっぱり人通りはあるのに…
まるで2人だけの世界だった。

「ねぇ…佑輔…、食べて…。」

ニコッと佑輔が笑顔になった。
イタヅラっ子の少年みたいな笑顔。

その唇がそっと横に広がって
柔らかそうな唇になって…

私の唇は…食べられてしまった。
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