恋といのり

「これより藤波高校入学式を開催いたします」

大きなホールにたくさんの学生たち

私はここでたくさんの友達と思い出をつくる!

「それでは、新入生代表挨拶、一葉 いのり」

決意をあらたに新しい学校に望もうと意気込んだ時

私の名前が呼ばれた

その瞬間
会場がざわついた

『はい』


「噂、ホントだったんだね」
「一葉家のお嬢様が入学してくるって」
「なんで四大財閥のお嬢様がうちにくるんだ?」

こそこそと話をしている生徒たちの横を真っ直ぐ歩く

大丈夫

慣れてるもの


それに
ここでは素直な自分でいるって決めたんだから

『暖かな春の光が祝福するなか、この伝統ある藤波高校に入学できたことを嬉しく思います。------新入生代表、一葉 いのり』

用意しておいた言葉を噛まずに言い終わると
一斉に拍手がおこった
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