誰もしらない世界
しばらくすると店に警察が到着し、れいかを連行して店の外へと連れていった。


先程まで賑わっていた店内は静まり帰り、怪我をした歩と藤田は近くの病院へと向かった。

病院へたどり着き、先に処置が終わった藤田は、歩が処置を終えるまで待ち合い室で待っていた。


ガラガラガラ

処置室から歩が出てきた。

歩(15針縫っちゃった。ははは。傷…顔じゃなくてよかった。あはは。)

ほっとため息をつきながら歩は言葉を発した。
藤田は立ち上がり、歩の肩に軽く手を回しながら病院を後にした。

病院の前で止まっているタクシーに乗り込み藤田は歩に話しかける。

藤田(とんだ災難だったな。)

歩(…うん)

藤田(君もなかなか波瀾万丈だね。)

歩(気がついたらこうなってたの…いつからだろう。)

藤田(杉浦と関わってからじゃないのか。君がそんな風になり始めたのは…)

歩(そうかもね…でも別に杉浦さんは関係ないわ。)

藤田(わかっているのに何故そんなに杉浦を庇うんだ?君、何か弱味でも握られてるのか?)

< 161 / 304 >

この作品をシェア

pagetop