誰もしらない世界
私は一体何が欲しいのだろう…

そんな風にいつも一途に歩を助けたり、電話をしてくる藤田の着信を見ながら考えていた。

答えなんてわからない…
どうしてこうも上手く言葉にできないのだろうか。
そんなもどかしい思いに揺れていた。

その時今度は杉浦から電話がかかる。

歩は即座に着信を取る。

歩(も…もしもし…)

杉浦が静かに言う。

杉浦(なにしてんだ。急に出ていって。戻ってこいよ。)

そう杉浦は歩を呼び戻した。

歩は少し考えながら答えた。

歩(…うん。)

雨の中をまた走りながら杉浦の部屋へと一人歩は、戻った。

< 170 / 304 >

この作品をシェア

pagetop