誰もしらない世界
ある日の午後、藤田は米村に電話をかける。
藤田(あ、もしもし。米村さん?杉浦について調べたんですが、重要な核の部分の情報が手に入りました。こないだのカフェで待ち合わせしましょう。)

藤田が椅子に座ると、米村はテーブルに黒いアタッシュケースを乗せた。
藤田は一瞬どうしたものかと驚きを隠せない表情をしていた。

米村(これで、どうですか?)

藤田(え?こんなに!?)

今までに目の前で見たことのないような大金500万を藤田の目の前に積んでいた。

米村(お金はいくらでも構わない。ただし・・・)

藤田(ただし・・・?)

米村(君のくれた重要な話がどの程度の物かによるがね。)

藤田(あ、ああ・・・当然です。いや、びっくりしました。こんな大金目の前にしたことなんてなかったので。)

米村(はははは!)

米村はいつもの調子で笑い飛ばした。

米村(で、その話とやらを聞かせてもらいましょうか?)

藤田(そうですね・・・これです。)

藤田は米村の前に複数枚の写真とボイスレコーダーを用意していた。
その写真には杉浦が海外から薬の調達をする写真が複数用意されていた。
そして、ボイスレコーダーの音声を米村は再生をした。

ザー・・・ザー・・ああ?お前シャブは絶対にばれないように偽装させろ。
ザー・・・ザー・・・あ?殺されたいのか?
ザー・・・ザー・・・あ、もしもし、例の取引の方はこっちのルートでお願いします。
アレが、金のもとなんで、よろしく頼みますよ。

そのレコーダーにはふだんの杉浦からは想像もつかない腰の低いやりとりから、部下に命令する一連のやり取りが録音されていた。

米村はボイスレコーダーを聞いたあと、藤田に持ってきた現金を手渡した。
米村(よくやってくれたね。ありがとう。そのお金では少ないくらいの金額の情報だったくらいだ。本当にありがとう。)

藤田(い、いいえ。そんなことないですよ。こんな大金、正直驚きました。ところで、米村さんは普段なんの仕事してるんですか?)

藤田は米村に問いかける。

米村はふふっと笑い答えた。

米村(企業秘密だね。はは!とにかくありがとうございました。)

そういって米村は杉浦についての情報を持ち帰り、カフェを後にしていた。
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