誰もしらない世界
杉浦からの電話を歩はひたすら待ち続けた。
三日…四日…一週間と、どんどん時間は過ぎていったが一向に電話がなることはない。
まさか何かあったのだろうかと胸の内がざわめくばかりだった。
しかし、そんな傍らで歩は米村と着々とビジネスの話を進めていた。
そしてついに歩は自分の店の開店の日を迎えた。

店内は歩のデザインした綺麗なワンピースやキラキラしたアクセサリーが並んでいた。
今まで杉浦の事でくよくよと悩んでいた自分が嘘のように光が差し込んだ、そんな感じがしていた。

自分がデザインしたワンピースを握りしめ笑みをこぼした。
そんな歩を見て、米村はいった。

米村(君がほしかったものは手に入ったかい?)

歩(はい!)
歩は嬉しそうな顔をして米村の方を振り向き勢いよく返事をした。
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