誰もしらない世界
翌日も、また翌日も、歩はいつも通り働く店へ通う。
歩の美貌にひかれて歩のお客もどんどん増えていった。

そして、れいかはそんな歩を警戒しはじめる。
れいかの席にはまた違うお金持ちの客、杉浦がいた。
れいかが席をはずれた途端、客はれいかが見ていないことを確認して歩にこっそり話しかける。

杉浦(ねぇ。ここって指名がえできるの?)

歩(あ、はい。できると思います。)

杉浦(あ、そう。)

歩(どうかしたんですか?)

杉浦(いや、最近なんかれいか金のことばっかりでちょっと…)

歩(あー、っとれいかさん忙しいからでしょうね。)

そんなふうに話していた時、歩は席を呼ばれた。

歩(失礼します。)

れいかは杉浦の席へ戻ってくる。

れいか(あの女。なんか言ってなかった?)

杉浦(いや。特に。)

れいか(お客さんもってかれそうでつけたくないわー!)

そんなふうに言うれいかを杉浦はしらけた顔でみていた。
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