誰もしらない世界
噛み合わない会話をしているときに歩は呼ばれ、また別の席へと着いた。そして、同時に杉浦は店を出ていった。

その日の営業終了後、ロッカールームで着替えていると、れいかが入ってくる。

れいか(あんた、一体なにしたの?)

歩は肩をれいかに引っ張られる。

歩(はぁ?)

れいか(杉浦さん、あんたに指名がえしたって聞いたわ。あんた私の客に何したん?)

歩(なにもしてないわよ。)
歩はイライラして、ため口でれいかに突っかかる。

れいか(なにもしてない訳ない。ずっとあたし指名やったのに、そんなこと絶対あるわけない。あんたやろ?あんたがそそのかしたんでしょ!あんたに違いない。)

れいかはそう言いながら歩の胸ぐらをつかむ。

歩(知らないって言ってんじゃない)

ドン…!

歩はれいかを突き飛ばすと、れいかは尻もちをつくが、また立ち上がり、歩に突っかかる。

れいか(あんたのやってきたこと、全部しってんのよ。あんたこの店に居れんようにしてやるから!)

そうれいかは言う。
歩(うるさい。だまれオバサン。)
歩はそう言い放ちれいかを突飛ばし、更衣室を出ていこうとする。

れいか(まちなさいよ!まだ終わってない!)
歩の腕を引っ張る。

歩(うるさいわね。オバサン!あんたに魅力がなくなっただけよ。ガタガタうるさいのよ!)

そう店の更衣室の前で言い合いをしていると、黒服に見つかり、ケンカを無理矢理止められた。
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