誰もしらない世界
タクシーに乗り込み、徒歩で15分歩いたガラっとして辺りには何もない大通りを少し入った小道に小さな居酒屋があった。
浩介(ねぇ、居酒屋ここでいい?)

歩(はい。あ、こんなとこに居酒屋あるんですね!)

二人は会話を交わしながらその小さな居酒屋に入った。
店の中は電球が少し暗めにしてある隠れ家のような雰囲気であった。
店の店員に案内され、二人は奥の席へ座り、酒をかわす。

浩介(お疲れ。乾杯。)
歩(いただきます。)

席に座って軽く二人は会話を交わし、少し酒によってきたくらいだろうか。浩介が唐突に歩にこうなげかけた。

浩介(ねぇ、付き合ってる人いるの?)

歩(いえ、もう三年くらい一人です。)

浩介(じゃあ、付き合わない?俺たち。)

歩(え?)

浩介(うわー振られた。)

歩(いえ、あ、そうじゃなくて…)

浩介(良いってこと?)

歩(はい…)

そう言い、照れ臭そうに頷いた。



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