誰もしらない世界
翌日、歩はいつものように店に出勤するが、昨日の斉藤の変わりように対する不安と、繰り返されるれいかの嫌がらせに頭を悩ませていた。

今日もまた歩のロッカーを開けると私物がなくなっていた。

はぁ…
歩はため息をつく。
しかし、その嫌がらせなんて気にかからない程に、自宅に帰り、また斉藤の奴隷になることに対しての不安が大きく膨らむ。

歩は考える。
…この店をやめれば、私の稼ぐお金がなくなる。私がお金を渡さなければ、またあの滑稽な生活に無理矢理斉藤に戻されてしまう。

抵抗しようにも、身分証などすべての管理を引っ越ししてから斉藤に託したままだった。
これではどこにも逃げるのが不可能だ。
例え逃げたとしても地獄の果てまで追ってきて殺されるかもしれない…

歩の不安はどんどん膨らむばかりだった。
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