誰もしらない世界
歩はその言葉にかける言葉を失ったまま仕事にもどる。
店の入口で考え込む。

俺に不可能な事はない…
その言葉だけが歩の中に響いたまま、歩は上の空で営業を終えた。

営業が終わり、先ほど杉浦から渡された紙を取り出す。その紙を握りしめたまま、歩はポケットに紙をしまい店を後にした。

煌めくネオンの海を一人不穏な面持ちでかけぬけていく。
他店の店の女たちが営業後に客と街を歩く。時々、人にぶつかりながらも、歩は杉浦のいるホテルへと距離を詰めていく。
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