誰もしらない世界
しばらくして、斉藤はあくびをし始めた。

斉藤(ふぁー眠くなってきた。俺、寝室で寝るわ。)

そう言い、斉藤は寝室へと移動して眠りについた。
決行時間まで後一時間…さてこの一時間の間にオカメをどこに行かせようか、しかし早くしなければ斉藤が眠りから覚めてしまう。早くしなければと、焦るばかりの歩がいた。

歩(ね、ねぇオカメちゃん。コンビニ行かない?)

オカメ(そうだね、アイスクリームたべたいし。)

歩(ね、いこいこ。)

そう言い、オカメを外へ連れ出した。
コンビニまで歩いて20分。時間は深夜の3時を回ろうとしていた。

コンビニに行く途中しばらく歩いた所で歩は言う。

歩(あ…私財布忘れてしまった。ちょっと取りに帰る。)

オカメ(え、じゃあ一緒にいくよ)

歩(あ、いいの!せっかくここまで歩いてきて、引き返すとまた時間かかっちゃうから先にいっといて。)

そう言い、オカメをコンビニに向かわせた後、歩は家に一人戻る。

ガチャリ…玄関を開けると部屋は静まりかえっていた。

そっと斉藤の寝室にむかう。

ガチャリ…少しドアを開けると斉藤がイビキをかいてねむっていた。
歩は試しに本当に斉藤がねむりについたのかを確認するために名前を呼んでみる。

歩(斉藤さん)

斉藤はゴーゴーとイビキをかいてねむっているようだ。
それを確認した歩は自分の部屋の机の下に隠しておいた灯油を持って斉藤のベッドの周辺から玄関までまいた。
そして、煙草の火を玄関から灯油に落とすと、火は一気にドミノ倒しのごとく部屋一面に広がり始めた。
そして歩は玄関のドアをしめた。

ケータイ電話で、オカメにメールを打つ。

歩[今からそっちに行くから。待ってて]

そう言ったあと20分先にあるコンビニへと歩は走った。

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