誰もしらない世界
その火事が起こってから、歩とオカメは杉浦の用意したマンションへそれぞれ住むことになる。
テレビでは歩が起こした火事について報道されている。
杉浦に言われた通りに、計画を実行した。そして、計画どおりになんの跡形もなく斉藤もろとも消してしまった。
不審火として報道されるテレビの画面をぼおっと歩は見つめながら、不安ばかりが募ると同時に杉浦の言葉が脳裏をよぎる。


後始末は任せておけ。

そんな言葉を歩は信じるしかなかった。
またその事件の裏側で杉浦は動いていた。
火災の翌日の舞台裏で杉浦は火災について事細かに調べようとする警察のトップに杉浦の義理の弟が働いていたのだ。
事件の詳細の全てをねじ伏せ、舞台裏で杉浦は多額の金を払い隠蔽をしていたのだ。
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