誰もしらない世界
その日の夜、自宅に歩が帰宅する。

歩(ただいまぁ)

オカメはビクッとして振り向く。

オカメ(あ、お…おかえり)
そうそっけなくオカメが言う。

歩(あー超つかれたぁ!)

そう言い、荷物を投げ出し、オカメの横に座る。
歩(聞いてオカメちゃん!今日のお客ほんと最悪でさぁ!)

オカメは白々しく返事をかえす。

オカメ(そ…そうなんだ…)

歩はオカメがいつもと様子が違うので不思議な顔をする。

歩(ねぇ、今日なんかそっけなくない?)

オカメ(そんなことないと思うけど…)

歩(あ、そう?まっいいやー!)

そう言って歩はリビングから寝室へと移動した。
オカメは少しほっとした様子でれいかにメールを打つ。

オカメ[やっぱり歩ちゃんは違うんぢゃないかな…]

れいかから返信が来る。

れいか[そんな訳ない。歩の裏に杉浦って男がついてるのよ。ケータイを見たらわかるわよ。]

れいかからそう言われたオカメはふと床に目をやる。
オカメの横には歩のバッグがあるではないか。
オカメは歩が寝室にいることを確認して、歩のバッグに恐る恐る手を伸ばそうとする。

その時だ。

ガチャ!

歩が寝室から出てきた。
オカメはさっとバッグから手をもとに戻す。

オカメ(あれ、寝たのかと思ってた!)

歩(お客さんにメールするの忘れてた!かばんかばん!)

そう言い、寝室にカバンを持っていってしまった。

オカメはふーっと深呼吸をして、れいかにメールを打つ。
オカメ(今、見ようとしたらタイミングよく部屋からでてきて見れなかった。)

そうメールを打ち、ケータイの電源を落とし、オカメはもう寝てしまおう。そう思い、眠りについた。
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