誰もしらない世界
ベッドに潜り込み、頭の思考回路を止めてしまうように睡眠薬を3錠飲み、歩は眠りについた。
その頃、杉浦は歩とは別の女との会食に出かけていた。
タワーの最上階にある眺めのいいレストランで優雅にワインを揺らしているとき、杉浦のポケットのケータイがなる。
杉浦は自分のポケットから少しケータイをのぞかせて、歩からの連絡があることだけを確認する。すると隣にいた女は杉浦に話しかける。

女(どうかしたの?)

杉浦(いや、特に何にもない。)
そう言い、杉浦は歩のメールの内容を見ないまま会食を続けた。
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