社長に求愛されました
「強気な社長、見てみたいです」
不意打ちのキスに驚いていた篤紀が、ハっとして……それから苦笑いを浮かべた。
「なんかもう既にいつも通り弱気だな、俺……」
はぁー……とため息をつき俯いた篤紀が、そのままちえりのおでこに自分のおでこをくっつける。
至近距離から視線が絡まり……そのまま唇が重なった。
軽く触れた唇が離れ、角度を変えて深く重なる。
わずかに空いた隙間から入ってきた篤紀の舌に、ちえりが反射的に身体を引いたが、それを追うようにして篤紀がゆっくりと体重を乗せていき……。
キスをしながらソファーに押し倒されてしまったちえりが驚いて目を開けたが、そのまま情熱的なキスを続ける篤紀に流され、まぶたをそっと下ろす。
「……ふ、ぁ……っ」
息が苦しくなるほど長いキスに、次第にちえりの声が漏れ始める。
こういうキスは初めてではないが、それにしてもいつも以上に執拗に咥内を撫でる篤紀にドキドキしてしまい、どうにかなりそうだった。
ちえりの頭を撫でるようにしていた篤紀の手が、徐々に頬や耳を滑り落ち、首筋から身体のラインを優しく撫でていく。
腰のあたりまで下がっていた手が再び撫であがってきて胸に触れられると、ちえりがびくっと身体を揺らした。