社長に求愛されました
“私なんか”
ちえりが何気なく言った言葉に、まるで自分の事のようにツラそうに顔を歪めてそんな事言うなと言ってくれる篤紀が、心の底から嬉しかった。
「ん……っ」
何度も角度を変えてキスしながら、篤紀の指がちえりの身体をなぞるようにして這っていく。
服の下に入り込んだ手がくすぐったく感じて身をよじるも、組み敷かれている今の体勢ではそれは大した抵抗にはならずに終わってしまう。
じっくりと時間をかけてキスを交わした後、篤紀の唇がちえりの耳や頬、首筋……そして肩とじょじょに移動していく。
これ以上に恥ずかしい事なんてきっとない。
そう思えるほどの行為に、ちえりは手の甲で目元を覆ってそれに耐えていたのだが。
それに気づいた篤紀に、両手をまとめて拘束されてしまう。
「顔、ちゃんと見せろ」
「だって……っ、こんなの恥ずかしくて……」
「じゃあ、恥ずかしがってる顔を見せろ」
無茶苦茶な言い分に抗議しようとするも、篤紀の片手はずっと身体を触っているせいで言葉にならない。
いつの間にかブラウスのボタンはすべて外され、下着も上にずらされていて……それに気づいたちえりの顔が更に熱を持つ。