社長に求愛されました


「とにかく仕事の一環だ、おまえも来い」
「え、でもさすがにバイトの立場でそれは……それに14人って社員さんの人数じゃないですか。
私いれたら15人になっちゃいますし」
「明日、下田が予定があって来れないから代わりにおまえが来ればいい」
「でも、パーティに着ていくような服も靴もないですし……やっぱり遠慮しておきます」

そう言って申し訳なさそうに笑うちえりに、篤紀が顔をしかめる。

「俺が誘ってるんだから来い。昼は向こうで出るし、夜もおごってやるから。
服だとかは俺が一式用意してやる」
「えっ、嫌です!」
「嫌ってなんだっ。俺の好意を嫌だとか言うんじゃねぇ!」
「だって社長高い服買ってきますもん! そんなの身の丈じゃないですし似合わないし嫌です!」
「俺がおまえの事考えて選んだモンが似合わないわけないだろぉが!」
「似合わないっていうのは金額の事です! 社長と違って私には数万円もするようなモノは似合わないんです!
フリーターなんですからね!」
「あ、じゃあ私の貸してあげる」




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