社長に求愛されました
「いつもは思いませんけど、胸の大きな人とかスタイルいい人を見たりとか、こういう服着たりすると、やっぱり多少は気になります。
ところでコレ、大丈夫ですか? 私、おかしな事になってません?」
そう言って自分の姿をくるくる回りながら見下ろしているちえりはいつも以上に可愛らしく、100人が100人とも可愛いと言うに違いないと確信できるほど、篤紀にとっては可愛くて仕方がないのだが。
当の本人は、似合っているかどうかさえ不安ならしいから不思議だ、と篤紀は呆れる。
「っていうか、色は大丈夫ですか? レセプションパーティーって結婚式の二次会みたいな感じだって言ってましたよね?
そういうのって普通、黒いドレスとかじゃないんですか?」
ちえりの着ているドレスにも黒は入ってはいるのだが、全体的には淡いブルーの部分の方が多い。
心配するちえりの首に、後ろからネックレスをつけながら篤紀が答える。
「大丈夫だろ。今は式でもピンクとかのドレスも多いし。
今日は花嫁は白しか着ないって話だし、問題ない」
「そうなんですか……。ならいいですけど。
ところで無断でネックレスつけられてるんですけど、これは……」