【完】それでも、あたしは君が好き。
あたしはとりあえずダッシュ…!
といきたいところだけど、
浴衣を着てダッシュできるわけもなく。
少し早歩き目に急いで
駅前へと足を進めた。
駅前に着き、少しキョロキョロすると、
後ろから目を隠されてしまった。
「…こんばんは!北村さん」
「三汐くん…ごめんね遅れちゃって……」
「いいよ気にしないで。
それじゃ行こうか!」
あたしはうんと頷いて歩き出した。
そのとき手をぎゅっと引っ張られて……
「浴衣…似合ってるよ」
と照れたように、振り向いたあたしの顔から
目を逸らしそう言った。