【完】それでも、あたしは君が好き。
「あ、ありがとう…」
不意にそう言うから、
突然そう言うから、
少しだけ、ドキッとしてしまった。
「行こっか!」
あたしを引き止めた手を離し、
あたしの前を歩き出した三汐くん。
あたしは三汐くんの後ろを
チョコチョコとついて行った。
祭りが行われているところまで来ると
沢山の人で賑わっていた。
「人多いけど、北村さん大丈夫?」
「え?あ、うん!大丈夫!」
あたしがそう言うと、
三汐くんはニコッと微笑んで頷いてくれた。