【完】それでも、あたしは君が好き。
「俺のことも“陸”でいいからね」
あたしはコクンと頷いた。
するとポンポンとあたしの頭を
軽く叩いた陸。
……っ!!!
――――パシンッ!!
人が賑わう夏祭りの会場で
なんとも鈍い音が響いた。
「あっ……ご、ごめん…」
あたしは陸のその手を払ってしまった。
「………い、いや、俺こそごめん……」
あたし何やってんの…
あたしが陸の手を払ったのは
比呂の手を思い出したから。
………あたしのバカ。
今、比呂は、関係ない…のに