【完】それでも、あたしは君が好き。
*陸side



愛結は

『大丈夫!花火が余りにもキレイだったから
涙出てきちゃっただけ!』


そう言って笑った。



なぜ愛結は泣いていたんだろう……



花火が理由なわけがない。



「…愛結。帰ろうか」


俺はそう言って愛結の手を握り
帰る方向へ歩き出した。



「…り、陸…」


「ん?」



愛結は俺の握っていた手をぎゅっと握って、
引き止めた。



「夏祭り楽しかった…!」



そうひとことだけ言って、
俺の手を離した。




sideend
< 128 / 308 >

この作品をシェア

pagetop