【完】それでも、あたしは君が好き。
「……ねぇ、愛結…
三汐と何かあったのか?」
「え、ううん何もないよ?」
………でも……夏祭りで比呂を探し続けてた。
陸がいるのに。
自分に腹が立った。
これ以上好きにならないと決めたのに。
決めたのに、
比呂を好きな気持ちが減るわけもなく。
むしろ、好きって気持ちが増えている。
玄関先で話した時だって、
ホントはもっと話していたかった。
ああやって逃げちゃったけど、
ホントは話しかけてくれて
嬉しかった。
気にしてくれたのも嬉しかった…の。
「ちょっ、あ、愛結…!?」
あたしは水着に着替えてから、
その場で泣き崩れた。