【完】それでも、あたしは君が好き。
「え?」
「木崎くんを嫌いな人なんて
居ないですよねっ」
西山さんはきっと、
あたしの心の汚れに気づいていない。
純粋な西山さんと
汚れきった心のあたし。
差を感じて胸がギュッと締め付けられた。
「…三汐くんとお似合いですっ
幸せでいてくださいっ」
「え、あ、うん。ありがとう。」
西山さんはそう言ってあたしの元から去っていった。
「お似合いか……」
嬉しいけど複雑。
陸のことは好きだけど、
そういう意味では好きじゃない。
幸せ。
幸せになりたいな……
だけど、西山さんと話したことで
少しだけ心の汚れが消えた気がした。
「…愛結?」
「……り、りく……」