【完】それでも、あたしは君が好き。
「……あ、愛結…!」
家に入ろうとした時、
後ろから聞き慣れた声が聞こえて振り返った。
「……こんばんは。比呂」
「こんばんは。あ、これ。
母さんがまた作り過ぎてさ。」
そう言って比呂は恐る恐るあたしにタッパーを差し出す。
「もう…そんな比呂やだよ!
いつもはもっとからかってくるじゃん!」
あたしは精一杯の笑顔を作った。
「…あ、あははそうだっけ?」
比呂は半ば無理矢理笑ったように見えた。
でも…
笑った…