【完】それでも、あたしは君が好き。
「陸…」
「……俺、本気で愛結が好きだったよ」
そう言った陸の目からひと粒の涙がこぼれた。
「あ、俺、用思い出した…
んじゃ、明日…体育祭頑張ろうな。
バイバイ。
愛結…………」
陸はそう言ってあたしに背を向け
来た道を戻って行った。
「………ごめんね……陸…」
あたしの目からも涙があふれた。
だけど。
これで、良かったんだ。
陸の涙は初めてだったな。
とても、綺麗で、
不謹慎だけど
その涙に見惚れてしまった。