【完】それでも、あたしは君が好き。
「…あ、おはよ!愛結」
「おはよう比呂。と西山さん」
「おはよう北村さんっ」
玄関を出ると、
西山さんと比呂の姿があった。
あたしは無愛想だったかもしれないけど
挨拶をして、
二人の前を通り過ぎた。
「木崎くんっ私達もいこっか!」
そういう西山さんの声が聞こえた。
きっと、ガッツポーズをした両手を
胸の前に置いて
頬を赤く染めながら言っているんだろうな。
なんて想像しながら
肩に掛けたカバンの持ち手をぎゅっと握り、
早歩きをした。